ぽっちゃり求人との遅すぎた出合い

ぽっちゃり風俗店で働いて6年になります

私は25歳の風俗嬢です。
ぽっちゃり店と呼ばれる、太った女の子が集まるお店で、撫子という源氏名で働いています。
見た目は年相応で、化粧や洋服によって年齢よりも上に見られたり、ギリギリ大学生に見られたりするぐらいで、太っていること以外に大した特徴も無いので普通の女の子だと思っています。
風俗の仕事はアルバイトで、本業は週3日で医療事務に勤めています。
ただ、本業は医療事務だと言いつつも、働いている時間もお給料の金額も風俗の方が大半を占めているのが現状です。
夜のお仕事を始めてから6年近くになるので、最近では在籍しているお店の面接も手伝うようになりました。
面接官というよりも、先輩としてお店のシステムや雰囲気などを伝える「おしゃべり係」のようなものですね。

何故、私が面接のお手伝いをしているのかというと、やはり私自身が借金の返済に苦しんだ経験があるからなんだと思います。
たとえ自ら求人広告を見て応募をしてきた女の子でさえ、「本当は風俗でなんか働きたくない」というのが本音だと思います。
しかし、本人の借金や家庭の事情で止むを得なく風俗業界へと入ってくる子がほとんどです。
そんな彼女たちの不安や戸惑いという後ろ向きな気持ちを和らげる為にも、私のような「おしゃべり係」が同席する意味があるのだと思います。
何しろ、やってくる女の子たちの大半が20代前半の若者なんですから。

若さを売りにしたぽっちゃり店

私が働いているお店は都内のぽっちゃり専門店で、業界では珍しい年齢層の若いお店になります。
一般的にぽっちゃり風俗は、30歳以上の女性が多い職場と言われていますが、私のいるお店で一番年齢が高い人は31歳です。
ぽっちゃりと言っても、マツコ・デラックスさんのような体の大きい人はいなくて、洋服のサイズも「大きいサイズ」とか「ゆったりサイズ」を着る程度の太り具合です。
全国的に見ても、若さを売りにしたぽっちゃり店は少ないようで、関西や東北からも通ってくださる男性客がいるほどです。
店長曰く、一般的なぽっちゃり店はどうしても女の子の年齢が高めになってしまうので、若い女の子を集められれば男性客からの人気も集めやすいとのことです。
ただし、若くて太っている風俗嬢を集める為には、求人コストが多く掛かってしまうのが痛し痒しだと漏らしています。

進学を機に東京で一人暮らし

そもそも、私が夜のお仕事を始めたのは大学生の時でした。
理由はいたってシンプルでお金が無かったからです。
私は地方出身者なのですが、通っていた大学は東京にありました。
高校時代は真面目に勉強をして、母と同じ職業である教師になることを夢見ていたのです。
志望する教育大学の受験は一度きりのチャンス。
何故なら、私の父は身体を壊して自宅療養をしていたので、母は父の介護の為に早期退職をしていたので、浪人生を養う余裕など無かったのです。
私も父や母には迷惑を掛けたくなかったので必ず合格してみせると意気込んでいたのですが、受験に失敗。
滑り止めの大学にも受かることなく、偏差値だけで選んだ語学専攻の大学へと通うことになりました。
教育大学でなくても、四年制大学を卒業しておくことを母が強く望んだからです。
母は介護だけの生活に私を巻き込みたくなく、私自身の人生を邁進できるように快く送り出してくれました。
こうして私は女子大生として一人暮らしを始めたのです。

ぽっちゃりキャバクラで夜のお仕事デビュー

しかし、1年も経つとお金に余裕が無くなり、借金をすることが増えていきました。
大学の友人はデパートなどのクレジットカードでキャッシングをしていたし、「今月は支払いがヤバい(笑)」なんてカジュアルにキャッシングをしていたので、私が生活費の為にキャッシングの回数が増えていっても、特に愚かな行為だとは気付きませんでした。
そしてキャッシング枠はすぐにいっぱいになり、さらに借りられる所を探して消費者金融へと行き着いたのです。
今でこそ後ろ暗い雰囲気のある消費者金融も、当時はテレビCMが頻繁に流れていて、アイドルやチワワ犬が明るく楽しい雰囲気で登場するCMは、好感度ランキングで上位になっているほどでした。
まだ未成年だった私が消費者金融へ通い慣れて、段々と借りる額が増えていったことを考えると、当時がどれほど異常な時代だったのかを痛感します。
そして、借金だけが増えて首が回らなくなった頃に、同じように借金で苦しんでいた大学の友人に勧めてもらったのが、ぽっちゃりキャバクラでのバイトだったのです。
母の願いであった大学を卒業する為には、もう夜のお仕事を始めるしか選択肢がありませんでした。

求人広告は嘘ばかりという先入観

こうして私は、大学の友人をきっかけに、夜のお仕事をスタートした訳ですが、慣れてくると次第に「もっと稼ぐ方法は無いか」ということを自分で探すようになったのです。
誰もが通る道ではありますが、私も最初は求人広告を敬遠していました。
何故なら、「どうせ嘘しか書いていない求人広告を読んでも意味が無い」と考えていたからです。
しかし、キャバクラでの経験を通じて、夜の世界における給料の仕組みや福利厚生の扱われ方を学んだことで、求人広告にありがちな耳触りが良いだけの無駄な情報に惑わされなくなりました。
この点は経験がものを言う所だとは思いますが、この頃になると水商売から風俗へと鞍替えするのも時間の問題でした。
そして、今でも夜のお仕事を続けている訳ですが、今では「もし、あの時キャバクラの面接を受けていなかったら」と考えると恐ろしいばかりです。
おそらく大学も卒業できていなかったでしょうし、愚かなプライドと借金にまみれて母親への罪悪感から実家へと帰ることも出来なかったのではないでしょうか。

新人風俗嬢との食事を重ねて気付いたこと

現在でも、私のように借金を抱えて風俗業界の門を叩く女性は後を絶ちませんし、私のいるぽっちゃり専門店でさえ毎月のように女性が面接にやってくるので、業界全体で考えると、総数はかなりの数になると予想されます。
彼女たちの多くは借金を筆頭に、他人から見れば自業自得と言われても仕方ない理由で止む無く風俗の仕事を始めます。
きっかけの多くはネガティブなものであり、ポジティブなケースはごく稀です。
だからこそ、私は面接で会った女の子が入店したら、初日の仕事終わりに食事に誘うようにしています。
この仕事をやると踏ん切りを付けていても、不安で仕方ないことを私自身が身を持って知っているからです。

食事の席では、最初に私自身の話をするようにしています。
まずは私のことを知ってもらってからの方が、彼女たちの話したいことを聞きやすいからです。
意外に思うかもしれませんが、風俗嬢の多くは風俗で働くことにネガティブな思考を持ってはいません。
ただ、自ら進んでしているわけではないので、この仕事をしなければならなくなったきっかけにはネガティブな感情を持ち続けています。
「借金が膨れ上がる前に何か出来なかったのか?」。
これが多くの風俗嬢が考える問いです。
まぁ、それでも大金を稼ぐと懲りずに散財しちゃう女の子が多いのも事実ですが。

求人情報が簡単に見つかる時代

私の答えはシンプルで、もっと早く風俗の仕事に出合えていればということです。
過去の私は、繁華街などで見掛ける風俗やキャバクラの求人誌を見ても、自ら手に取ることはおろか、キャバクラや風俗で働く女性たちをどこかで見下していました。
しかし、そのような気持ちは実際にどれくらいの額が稼げるのかを知らないからに尽きると思います。
今では、学生時代の変なプライドは捨てて、求人誌を手にしていればと思うことが増えました。
今ではネット検索が当たり前になって、こちらのようなぽっちゃり女性向けの求人サイトを見つけることも簡単にはなりましたが、私の時代はそこまで当たり前になっていなかったので、風俗の求人サイトこそあれど、まだまだ専門サイトのようなものはありませんでした。

風俗で働くことは愚かなことなのか?

まだまだ世の中には夜の仕事に偏見を持ちつつも、後先を考えずに借金を繰り返す女性が多くいます。
学生の中には奨学金を受けている方もいると思いますが、それも立派な借金の一つです。
確たる未来への道筋も見えていないのに、借金をしてしまうことは止むを得ないことなのでしょうか。
果たして、その決断は賢いやり方なのでしょうか。
風俗業界を始め、当店のようなぽっちゃり店にも借金を抱えた若い女性がやっては来ますが、まだまだ圧倒的に数が足りていません。
この業界は若ければ若いほどに稼げるチャンスは広がるのに、選択肢の一つとして考えられない要因とは一体何なのでしょうか。
これから細かなケースを踏まえて、一つ一つ考えていきたいと思います。