ぽっちゃりヘルスとの出合い

毎日のように働いていたキャバクラ時代

太った女の子専門のキャバクラで働き始めた私は、「もっと早く始めていれば良かった」という後悔を取り戻すように連日出勤したものです。
同僚の女の子たちともすぐに打ち解けることが出来、お客さんを交えたトークでも連携プレーをこなせるほどに仲良くなりました。
元々、自分のことを物静かなタイプだと考えていたのですが、バイトを通して自分が実はお喋り好きだったことに気付いたりと、借金に悩んでネガティブに暮らしていた日々から、一気に明るくポジティブな生活へと変わっていったのです。
何よりも短時間で高収入を稼げるようになったことで、大学での勉強時間を確保出来たことが大きかったと思います。
学生と言いながら一日を働き詰めで過ごす毎日から、勉学とバイトと気分転換を楽しむようになり、生活が一変したのです。

一日中バイト漬けの毎日大学が夏休みに入ると、友人や同僚たちは帰省をしたり、旅行に出掛けたりしましたが、私は集中して稼ぐ為に毎日のように出勤しました。
出勤スケジュールは前日までにお店のスタッフに報告するルールだったのですが、月にどれくらい働くかは女の子に完全に任されていました。
大抵は1週間に2日ほどのペースで働く子が多いので、私のようなケースは稀でした。
それでも当日欠勤をすることも無く働き続けて私を見て、次第にお店のスタッフから信頼されるようになりました。
その頃には一人での接客にも慣れ、いつ来ても出勤している私はお店の名物キャストとなり、ほぼ全てのお客さんから顔を覚えられるようになっていったのです。
お店のお客さんは40歳から60歳位の年配の方が多かったので、女性にがっつくよりも私が食べている姿を見て喜ぶ方が多かったのも、仕事が楽しく感じた一因だと思います。
その頃にはアフターにもよく行っていたものです。
そんなすっかりキャバクラの仕事にも慣れた頃、私にある転機が訪れました。

唐突に訪れた風俗店への移籍話

ファッションヘルスに移籍ある日、お店に出勤するとスタッフが慌ただし気に話をしていました。
「系列店で欠員が出た」。
その系列店こそが、ファッションヘルスのお店だったのです。
もちろん、そのお店もぽっちゃり専門店なのですが、女の子の都合で急遽退店することが決まったそうです。
そして、私が彼女の代わりにヘルスで働いてみないかと誘いを受けました。
お店のスタッフは私に借金があることは当然のこと、毎日のようにバイトをするほどお金を必要としていることを知っていました。
そこで、ヘルスであればキャバクラよりも稼げるので、出勤日を減らしてもお給料が下がらないから試してみないかと声を掛けてくれたのです。
私もキャバクラと風俗の接客内容が全く違うことは理解していましたが、それに見合うほどのメリットがあると感じ、挑戦してみることに決めたのです。

これは何もお店のスタッフに洗脳されたとかの話ではありません。
実際に働いてみることで、今まで自分が漠然と考えていた理想と現実に気付いたことが大きかったと思います。
物事を深く考えずに甘い考えで過ごしてきた私は、その甘さに見合う借金を作りました。
そして、経済的な余裕が無ければ、自分自身を見つめ直す時間さえ取れずに、肉体的にも精神的にも消耗していく一方だと身を持って知ったからです。
若い頃は特に夢や将来の為にと経済的な側面は無視して、偏見だらけの固定観念に縛られてしまいがちです。
しかし、労働を通していかにお金を稼ぐことが大変な事かを学びます。
たとえ見下していたお仕事であっても、実際に働いてみると多くの魅力があることにも気付きますし、漠然と考えていたほどブラックな仕事環境で無いことも分かるはずです。
そして何よりも、人から「ありがとう」と言われる仕事に偏見を持つ必要など無いことに気付くはずです。
こうして、私は今でもお世話になっている風俗店へと籍を移したのです。